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カミュー・ジローが倒産し、立て直すために探し出された醸造家それがデヴィット・クロワだったのです。若くて既成概念にとらわれない新しいブルゴーニュをになっていける人材、そうやって探された醸造家、彼は見事にカミュー・ジローを建て直し今ブルゴーニュで最も優れた醸造家として注目されています。
そんな彼が2005年、ドメーヌ・デューシェの畑5hを買い取りドメーヌを設立したのです。
彼のワインを初めてラシーヌで試飲したとき思ったのは、繊細で線が細いボディーの中に、最近のブルゴーニュにない見事な奥行きを感じました。
通常ブルゴーニュの場合、若すぎるワインは奥行きが出てくる前に酸化臭が出てくることが多いのですが、このワインは時間と共に奥行きと厚みが増し非常に表情豊かな姿を現します。
香りの素晴らしさ、非常に質感の良い柔らかさ、時間と共に現れる甘み、どれをとってもここ10年最も素晴らしい醸造家が現れたことを示しています。
現在このワインを輸入しているインポーターはラシーヌ以外にもう1社ありますが、このワインはラシーヌでなければ意味がないと言わざるえないようなワインでもあります。この表情の豊かさを一切崩したくない、つまり状態の良さを少しでも崩したくない、そう思っていまう貴重な生産者なのです。
あのデューシェの畑がここまで素晴らしいワインとして生まれ変わったのは実に信じられない出来事。そして彼がカミュー・ジローの醸造家も務めているために是非飲んでみたいのですが、多分近々その機会が出来そうです。
2007年ヴィンテージでここまで素晴らしいワインが出来るとは驚きですが、間違いなくこのヴィンテージのスターであることは明らかです。
2009年彼がどのようなワインを造ったのか、今から非常に楽しみです。
メゾン・カミーユ・ジルーで働くデヴィッドは、2004年にボーヌの中心に位置する立地の良い、5ヘクタールの畑とドメーヌ・ドゥシェが売却されているのに目をつけていました。
ドメーヌ・デ・クロワは、60年~70年代に数々の素晴らしいワインを産出していた旧ドメーヌ・ドゥシェの新しい組織です。やがてこのドメーヌと5ヘクタールの畑は売却され、Roger Forbes指揮のもとUSの小さな投資家グループが2005年初めに購入しました。彼らはデヴィッド・クロワをオーナーに任命し、彼はドメーヌ・デ・クロワとメゾン・カミーユ・ジルーとの間で働き始めました。
畑はサヴィニー、ポマール、コルトン・シャルルマーニュに加え、ボーヌにある5つのプルミエ・クリュ(トゥーロン、グレーヴ、サン・ヴィーニュ、ブレッサンド、ペルテュイゾ)の合計5ヘクタールです。このうち2ヘクタールのブドウは2005年からカミーユ・ジルーとの(長期であろう)契約により、ジルーが購入しています。残りの3ヘクタールが彼の自社畑となります。
ドメーヌのファーストヴィンテッジは2005年です。
栽培:ビオロジック(2008年~、認証は取得していない) 除草剤、殺虫剤、防腐剤の使用なし 土壌:粘土石灰質。下層土は沖積土。
自社ブドウ畑面積:19箇所で5.4ha
契約ブドウ畑面積:1.1ha
自社栽培ブドウ品種:ピノ・ノワール、シャルドネ
ブドウ以外の自社農作物:なし
主な仕立て方法:ギュイヨ・プールサール
仕立ての支柱の素材:アカシアの木仕立ての添え木の素材:アカシアの木
堆肥:購入(オーガニック堆肥を使用(毎年ではない)、ビオ農法で飼育された牛の堆肥)
酵母のタイプ: 野生酵母 圧搾方式:空気圧式プレス 醗酵容器:木桶、コンクリート、ステンレス 熟成容器:ブルゴーニュ樽、ステンレス
セラー環境:ボーヌ中心、畑とは隣り合っていない 年間生産ボトル本数:25000~30000本/年
選果の場所:畑の中、セラー マセレーション:5~6日間、12~13℃ 醗酵容器:木桶、コンクリート、ステンレス アルコール醗酵期間:4~5日間
醗酵温度コントロール:あり(ピーク(32~35℃)まで上げて、降りてきたら27~28℃でキープ)
熟成容器:ブルゴーニュ樽(228L)の後、ステンレスタンク 熟成期間:樽で最低12ヶ月+ステンレスタンクで3~6ヶ月 濾過清澄:なし
亜硫酸添加のタイミングと量:醗酵前に10~50mg/L、醗酵中に10~30mg/L、ビン詰前に10mg/L 総亜硫酸量:40~70mg/L
ワイン造りに取り組む時に、特に注意を払うのは『どの年にどこでとれたブドウか』という情報が、飲んだ時に感じられるような味わいを目指すこと。そのポリシーである『ブドウのオリジン(来た場所)が感じられるワイン造り』を目指すために、一つ一つの作業、工程もそれをリスペクトする行動をとっている。手摘みでブドウを収穫し、16キロくらい入る小さなバスケットにブドウを入れある程度選定をしながら収穫をして、醸造所に運んでからもう2回ほど選定を行う。
仕込みに入ってからは、自分の目指すところに液体を持っていくのではなく、ブレを調整する程度のガイド役としての行動をとる。醗酵のプロセスを知るためにテイスティングをするが、自分でプロセスを変えるような直接的なアクションはほとんど行わない。常に頭に置いているのは、収穫されたヴィンテージの特徴と、収穫してきた場所を尊重したいということ。新樽の比率もおのずと低くなり、約5~10%。ブルゴーニュで一般的に使用されている228Lの樽でシュール・リーで醸造し、キュヴェにもよるが、仕込みの期間は15~18ヶ月、醗酵させてから樽で12~15ヶ月間ほど熟成、ステンレスタンクに移して3~6ヶ月くらい寝かせ、無清澄・無濾過で瓶詰を行っている。
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