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現オーナーであるミゲル・メリーノJr.は、スポーツジャーナリストやテレビの脚本家として働いていたが、20代後半になって自分のルーツに立ち返り、父が始めたワイナリーの仕事を2003年から手伝うようになった。そのうちに栽培や醸造を学ぶ必要を感じて、ラ・リオハでブドウ栽培学とワイン醸造学の修士号を取得。そこでワインに携わるプロフェッショナルたちとの交流や師弟関係も生まれた。ミゲルJr.はワインメーカーとしての自信を深めるにつれ、父親を手伝うようになり、最終的には2017年の収穫期にワイナリーに戻った。時間はかかったが、その時の経験は言葉に尽くせないもので「過去の重荷が、大きな喜びに変わった」と彼は言う。2021年10月に父が逝去した後、息子のミゲルJr.と妻のエリカが後を継いだ。現在は約55,000~60,000本を生産し、その95%は約30ヵ国に輸出されている。徐々に単一畑のワインの品揃えも増やし、繊細でエレガントなスタイルに移行した。
24の区画に細分化された合計13ヘクタールを管理し、手作業での収穫や除草剤を使用しない持続可能な農法を行っている。テンプラニーリョのほか、マスエロ、カラグラーノ、ビウラ、グラシアーノ、マルヴァジア、そしてフィロキセラ前のガルナッチャも栽培。ワイナリーとしては2001年に最初の植樹を行ったが、19世紀末に遡る古木の区画も所有し、その多くは産地の伝統への敬意をこめて、馬で耕作している。
地域:Rioja リオハ
地区、村:Rioja Altaリオハ・アルタ, Brionesブリオネス
醸造・栽培責任者:Miguel Merino Jr.ミゲル・メリーノJr.
HP:https://www.miguelmerino.com/eng/
【ワイナリーと造り手について】※父と子が同名のため、以下父をミゲルSr.、子をミゲルJr.と表記
リオハの新世代を担う生産者として注目されているボデガス・ミゲル・メリーノは、リオハ・アルタの中心に位置するブリオネス村にある。創設者のミゲルSr.は1994年に醸造所を設立したが、最初のボトルをリリースしたのは2001年だった。毎年リオハワインの詳細なレポートを発行し、この産地を最もよく知るティム・アトキンスMWは、ミゲル・メリーノを「伝説的な生産者」Legendary Winemakerと呼び、ボルドーに倣った格付けで一級に選んでいる。
現オーナーの父でワイナリー創設者のミゲルSr.は弁護士として訓練を受け、若い頃に奨学金でアメリカに留学したこともあり英語も堪能だった。1977年、彼はリオハの大手醸造会社ボデガス・ベルベラーナ社(Bodegas Berberana)の輸出マネージャーとしてワイン業界に入る。ベルベラーナ社は1980年に、シェリーで成功したが後に破綻した大企業ルマサ社(Rumasa)に買収されたため、その後ミゲルはバルベラーナの元社長のメルキアデス・エントレーナ、もう一人の重役フェリックス・ペレスとともに輸出団体セナルサ(Cenalsa)を1980年代後半に設立し、リオハワインの輸出販売に乗り出し成功した。1991年には、スウェーデン専売公社からスペインワインを供給する任務を与えられた。これによって彼はマリアーノ・ガルシア(ベガ・シシリア、のちマウロの醸造長)、アルバロ・パラシオス、ボデガス・ロダといった一流の生産者達と出会い、コネクションを築くことができた。彼らは皆、ミゲルに自身のプロジェクトを立ち上げるよう勧めたという。
そんな時、ペドロ・ビバンコ(大手醸造会社ボデガス・ビバンコVivancoの故オーナーで、ミゲルが輸出部長を務めたことがある)が、ブリオネス村にある19世紀に建てられた古い建物と、古木が残るブドウ畑をミゲルに紹介した。それが1993年のことだった。こうして翌年1994年に設立されたワイナリーが、ボデガス・ミゲル・メリーノである。
父から息子へ
栽培醸造の訓練を受けておらず、サラマンカでジャーナリズムを学んだミゲルJr.は2003年から父のワイナリーの仕事に携わるようになった。
父親がワイナリーを経営していたにもかかわらず、ミゲルJr.はワインメーカーになりたかったわけではなかった。スポーツ・ジャーナリズムやテレビの脚本家として働いた後、20代後半になってようやく自分のルーツに立ち返る。2003年から2010年にかけて、ミゲルJr.は父のワインを売る毎日を送っていたが、高価なこともあって容易には売れなかった。「ワインを売るのは苦痛だった」と彼はいう。そして30歳になる少し前、ワイン造りを基礎から学ぶ必要があることに気づく。父も自分も技術的な専門知識がなく、コンサルタントのマヌエル・ルイス・エルナンデスや、多くの友人たちのアドバイスに依存していた。
ラ・リオハでブドウ栽培学とワイン醸造学の修士号を取得したことは、ミゲルの知識向上に役立っただけでなく、ブドウの専門家ペドロ・バルダや、彼が師と仰ぐダビド・ゴンサレス(ゴメス・クルサードの醸造責任者)、現在リオハ・オリエンタルの有力な生産者であるハビエル・アリスクレンといった、優れたプロフェッショナル達と出会うきっかけにもなった。
やがて2013年、ミゲルは恩師ダビド・ゴンサレスの指導の下、ゴメス・クルサードの醸造チームに加わったことが転機となった。アーロのバリオ・デ・ラ・エスタシオンにあるこの100年の歴史を持つワイナリーが改革に成功し、ワインの品揃えを一新した時期だった。「この経験のおかげで、自分の目指すべき方向性を見つけることができた」とミゲルJr.は言う。ゴメス・クルサードで出会った、当時ワイン・ツーリズムを担当していた妻エリカは、現在ボデガス・ミゲル・メリーノで広報とツアーを担当している。
ミゲルはワインメーカーとしての自信を深めるにつれ、父親を手伝うようになり、最終的には2017年の収穫期にワイナリーに戻った。時間はかかったが、その時の経験は言葉に尽くせないもので「過去の重荷が、大きな喜びに変わった」と彼はいう。
2021年10月に創設者のミゲルSr.が逝去すると、息子のミゲルJr.と妻のエリカが後を継いだ。
現在、ボデガス・ミゲル・メリーノは約55,000~60,000本を生産し、その95%は約30ヵ国に輸出されている。
【畑と栽培について】
ブリオネスは大陸性気候と大西洋気候がせめぎあっている。年間平均気温は12.7度、年間降水量は500mmで、リオハ全体より100mm多い。粘土と粘土石灰岩が主体で、砂岩、エブロ川からの沖積土壌などが交じっている。畑は北、北東、北西向きの丘陵に位置し、大西洋からの涼しい風を生かした栽培をすることができる。
ワイナリーは、24の区画に細分化された合計13ヘクタールを管理している。手作業で収穫し、除草剤を使用しない持続可能な農法を行っている。テンプラニーリョのほか、マスエロ、カラグラーノ、ビウラ、グラシアーノ、マルヴァジア、そしてフィロキセラ前のガルナッチャも栽培している。ワイナリーとしては2001年に最初の植樹を行ったが、19世紀末に遡る古木の区画も所有している。古くからある区画の多くは産地の伝統への敬意をこめて、馬で耕作している。
クレジットカード、amazon pay、代引き、銀行振り込みがご利用できます。
配送は常時ヤマトクール便でお送りいたします。営業日当日13時までにご注文のワイン、入金確認お場合原則当日出荷いたします。
15,000円以上送料無料(九州、沖縄は除く)基本送料は990円、その他の地域はショッピングガイドをご覧ください。