アルザスはドイツ国境に位置し一時はドイツ領だったこともあり、瓶の形もドイツの影響を色濃く受けています。
スタイルや葡萄品種もドイツの影響を受けていますが、やはりフランス人が作っているためにドイツワインとは違った独特の世界を形成しています。
現在フランスでも最も低迷している地域で、一部の造り手はフランスで最も人気のあり吉凶分かれる地域。自然派が台頭しつつあり今後の動きに注目です。
ジェラール・シュレールは自然派の旗手といわれ自然派アルザスを牽引する存在。濃厚で印象的なスタイルではなく果実を見事に独自の方向性で表現した逸品。先代がその地盤を作り現在は代替わりしています。代替わりしてから多少低く評価する人たちもいますが、印象的なスタイルから徐々に現代的な均整のとれた安定的なスタイルに変わりつつあると言えます。代が変わると文句をつけたがる傾向はいつの世も同じですが、ローヌのエマニュエル・レイノーを見れば才能ある物は更に進化することを示しています。
ピエール・フリックはここ10年最も変化し今やアルザスのトップの一つに君臨しています。
田舎くさい姿は影を潜め、洗練され緊張感のある果実の魅力全開の姿は、魅力の固まり。
常に挑戦的に挑み今最も注目する存在でしょう。
トラペは奥様の実家を受け継ぎ、ブルゴーニュならではの手法とアルザスならではの特長を生かして
上記の二人とは違った方向性のワイン。比較的長熟で厚みのあるボディーなのに厚ぼったくなく
引き締まった姿で1年ごとに複雑さを増していきます。自然派に対する姿勢もブルゴーニュの
作りを見れば分かるとおり、今後更なる真価を見せるはずです。
キンツレーはいろいろな意味で中庸な存在。しかし一般の方々が飲んだときに最も安心する
味わいだと思います。
グレッセールはアルザスの古典的姿をもったワインで熟成によって驚くほど魅力的になります。
古典アルザスの魅力が堪能できます。