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地域:Veneto
地区、村:
造り手:Paolo Trevisiol パオロ・トレヴィジオール
ワイナリーは1934年に設立。パオロの父は、この地方で初めて発泡酒プロセッコの造り方を確立した人物(注:一般にはカルペネ・マルヴォルティという(美味しくない)大手ワイナリーがその製法を確立した、ということになっています)。
家族経営のワイナリーで、オーナー/ワインメーカー/アグロノミストはすべて現当主のパオロ・トレヴィジオール Paolo Trevisiolで、雇われコンサルタントはいない。3世代目で現在44歳(2004年)。父のルイジ Luigiもまだ現役、ワイナリーで働いている。Paoloは葡萄栽培と経済学を修めた人物。経済学はワイナリー経営のため。ワイン造りや葡萄栽培は父から学んだ。パオロは節度・分別のある人で、他の生産者のように、マーケティングに血道を上げず、葡萄を提供してくれる栽培農家と良い関係を築き、続けることに注力している。あらゆるディテールにこだわり、高品質なワイン造りを目指している。情熱を持ち、信頼に足る人柄。
葡萄栽培・ワイン造りの哲学は、「出来る限り伝統的に」すること。今日のプロセッコは、安くて味の薄い「商業的」スパークリング・ワインになっているが、トレヴィジオールは、この地方の伝統的なスタイルのワイン、現在主流のプロセッコよりももっとストラクチャーのあるワインを造っている。
栽培品種:プロセッコのみで、ブレンド用の他品種は用いない。
自社畑面積:
ヴァルドッビアーデネとコッラルトに合計12-13ヘクタールの葡萄畑を保有。その他、長い付き合いの栽培農家からも葡萄を買っている。植樹本数はヘクタールあたり3000本。収量はさまざまだが、平均して樹1本につき2-3キロ。よって、ヘクタールあたり 6-9トン(法定上限12トン)。ヘクトリットル換算で42-63ヘクトリットル(搾汁率を70%としたとき)。
土壌:
・粘土と石灰質が混じり合った土壌。ヴァルドッビアーデネは石灰質が比較的多く、コッラルトは粘土が比較的多い。
・標高はヴァルドッビアーデネが400メートル、コッラルトが150メートル。
・畑の方位はヴァルドッビアーデネが南向き、コッラルトが南西向き。
・傾斜は、ヴァルドッビアーデネは急斜面、コッラルトはなだらなか傾斜地。
・仕立てはカプチーナという伝統的なもの。
・グリーン・ハーヴェストを行う年もある(年によってさまざま)。
・樹齢は20-50年まで様々だが、平均すると30年ぐらい。
・手収穫のみ。機械収穫は行わない。
・いわゆるリュット・レゾネで化学肥料や農薬の使用は最小限に抑える。プロセッコは湿度が高く雨の多いエリアなので、完全なオーガニックは難しい。
醸造:
ストラクチャーを備えたワインを造る上で重要なのは、「高品質の葡萄を畑で得ること」。収量を低く抑え、過熟でも未熟でもない葡萄を摘む事(16-17ブリックス。プロセッコの平均は14-16ブリックス程度なので、少し高めの糖度では摘んでいます)、丁寧かつ献身的に葡萄栽培を行うこと。
・搾汁は、破砕・除梗のあとプヌマティック・プレスで行う。搾汁圧力の最大値は不明。クリオ・マチェラツィオーネ(スキン・コンタクトの変形のような技術)は行わない。
・酵母は天然酵母、培養酵母の両方を使用(その年の葡萄の状態によって変わる)。
・一次発酵は、ステンレスタンクおよびコンクリートタンクで。
l二次発酵は、シャルマ法で用いられる加圧式の専用ステンレスタンク(アウトクラーヴェ)にて。
l出来るだけ長くシュール・リーの状態で熟成させ、ワインにストラクチャーを与える。
l瓶詰め前には軽くろ過。
熟成:タンク発酵、熟成(シャルマ・メソッド)
生産量:年産25万本
BrutとExtra Drayの両方を造っているが、最も気合を入れて造っているのは辛口のBrutのほう。商業的にはExtra Drayのほうが今日のプロセッコでは重要だが、より伝統的なBrutがトレヴィジオールのフラッグ・シップ。(注:以上はパタト氏の見解ですが、一般的にはプロセッコでは残糖の多いExtra Dryのほうがより伝統的なスタイルだと考えられています。Brutは、海外への輸出が増えた1990年代以降に、海外マーケットの嗜好に合わせるために造られたスタイルだという話をプロセッコで取材していたときには複数から聞きました。ただし、もっと昔に遡れば、「辛口のスティル・ワイン」が造られていた時代が長くあるわけですので、パタト氏の見解はおそらくその時代の「伝統」を指しているものだと思われます)。
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